waveshaper

ノード

記憶を持たない(無履歴の)サチュレーション。信号のピークを滑らかに丸めて倍音を付加します。ドライブを上げても音量は一定に保たれます。

パラメータ

欄何を決めるか範囲必須
drive_dbドライブ[dB]。音量は変わらない(規約4)。-12 〜 48必須
shape形。tanhは対称、asymmetricは非対称(DCを作る)。tanh / asymmetric必須
{
  "drive_db": 12,
  "shape": "tanh",
  "type": "waveshaper"
}

計算

y = shape(d · x) · c(d)          d = 10^(drive_db / 20)

tanh          y = tanh(u)                 対称。奇数次だけを作る
asymmetric    u ≥ 0 → tanh(u)             偶数次と奇数次、そして直流
              u < 0 → ½ · tanh(2u)

c(d) は「基準レベルの正弦波を通したときの出力RMSが基準RMSになる」値。
ドライブだけの関数で、あらかじめ計算してある。
ドライブ補償値はドライブ設定のみに依存し、再生中の音声には依存しません。そのため、ドライブを上げても音量を維持したまま歪みの質感(キャラクター)のみを変化させることができます。
  • asymmetricシェイプは原点で連続かつ両側の傾きが1(線形)であるため、微小信号は完全に素通しとなり、信号振幅が大きくなるにつれて非対称な歪みが現れます。
  • 音量補償は基準正弦波で校正されています。クレストファクター(波高率)の大きい実際の音楽信号では、厳密に一定ではなく近似的なレベル維持となります。
  • ドライブは、再生中にリアルタイムで変更できる3つのパラメータの1つです。

使うときの注意

  • asymmetricの後段には必ず dc_blocker が必要です。

    数式上の構造として直流が発生するため、dc_blockerのない構成はシミュレーション検証で拒否されます。dc_blockerは必ず下流に配置してください。

  • 非線形ノードのため、安全機構が作動します。

    このノードを含むシグナルチェーンは試聴前にシミュレーション検証を通過する必要があり、そのセッション中は常に出力リミッターが有効化され、再生開始時にソフトスタートが適用されます。

  • 奇数次と偶数次は聴感上の質感が異なります。

    対称サチュレーション(tanh)は奇数次倍音を生成し、プッシュプル回路のような質感をもたらします。非対称(asymmetric)は偶数次倍音(特に2次)を付加し、シングルエンド真空管回路特有の甘く艶やかな音色を再現します。