エラーコード

検証で拒否されたときは、処理段の名前・コード・実際に測定された数値が返ります。これはその全件カタログで、実装から抽出したものです。

断られたときの読みかた

  • 接頭辞が発生元の処理段を表します。biquadやonepoleで始まるものは係数検証、simulateは刺激信号の検証、armは再生直前の安全検証、resampleはレート変換段のエラーです。
  • 測定値がコードと一緒に返ります。エラーメッセージ本文だけでなく、隣に表示される数値(しきい値をどれだけ超過したか)を確認してください。
  • エラーは上流から順番に確認してください。上流で異常な数値が報告されている場合、それ以降の下流の測定値には意味がありません。
  • この一覧に無いコードは実装にも存在しません。説明のないコードは自動テストで拒否される仕組みになっているため、カタログとして網羅されています。
  • エラーコードの番号は再利用しません。廃止されたコードが後から別のエラーに割り当てられることはありません。
  • 拒否されることは、期待される2つの答えの一方です。

    音を鳴らさずに安全に事前検証するため、拒否されても失うのは試行の手間だけです。AIに自分の誤りを修正させられるのもこの仕組みがあるからで、返ってきたエラー内容をそのまま渡せば、どのしきい値からどれだけ外れたかをAIが正確に把握できます。

  • そもそも読み込めないときは、まずファイル構造を確認してください。

    スキーマ検証に失敗したファイルは係数検証まで進まないため、個々のノードのエラーが並ぶことはありません。代わりにgraphのエラーが1つ出力されます。

全件

ARM

鳴り始める直前の最後の検証で出ます。どれも非線形ノードを含む列についてのもので、シミュレーションを通っていること、リミッターとソフトスタートが有効になっていることが条件です。

コード出る文言
arm.not_simulated<node> は音声を非線形に加工するため、再生前に事前シミュレーションによる安全検証が必要です。グラフ編集画面で「事前検証」を実行してください
arm.no_limiter<node> を使用するには保護リミッターが必要です。再生設定の出力段で「オートヘッドルーム(auto)」を有効にしてください
arm.soft_start_out_of_rangeソフトスタート時間は 20〜500 ms の範囲で指定してください

GRAPH

ファイル構造(スキーマ)の検証です。ファイルがJSON Schemaに適合していません。認識されなかったフィールドについては候補の一覧が返されます。

コード出る文言
graph.malformedグラフ定義の形式がスキーマに合っていません

NODE

係数の検証です。設定値を両方の内部レートでフィルタ係数へ変換する過程で、ノードごとに出ます。実際に測定された数値がコードと一緒に返ります。

コード出る文言
biquad.rate_out_of_range設計レートが 0。内部レート(705600 / 768000)を指定する
biquad.cutoff_out_of_range遮断周波数が 0 以下、またはナイキスト以上
biquad.q_out_of_rangeQ が範囲外(0.05 〜 40)
biquad.gain_out_of_range利得が範囲外(±24 dB)
biquad.unstable係数が有限でない(g・k は正の有限値でなければならない)
biquad.excessive_gainピーク利得が大きすぎる
biquad.ultrasonic_boost25 kHz 超を増幅している。可聴しないまま DAC → アンプ → ツイーターに入るため既定で拒否する
onepole.rate_out_of_range設計レートが 0。内部レート(705600 / 768000)を指定する
onepole.cutoff_out_of_range遮断周波数が範囲外(0.05 Hz 〜 ナイキスト)
onepole.unstable係数が有限でない(g は正の有限値でなければならない)

RESAMPLE

リサンプル設計を特定のレート向けに計算(求解)している過程で拒否されたエラーです。関係する周波数やタップ数がコードと一緒に返ります。

コード出る文言
resample.no_transition_band入力サンプリングレートに対して通過帯域が広すぎます。折り返し雑音(エイリアシング)を防ぐため、通過帯域の上限周波数を下げてください
resample.rates_invalidサンプリングレートまたは変換比が不正です(0、または整数比ではありません)
resample.taps_out_of_rangeタップ数が許容範囲外です(リアルタイム処理の負荷上限を超えているか、フィルタ長が不足しています)
resample.taps_not_odd直線位相フィルタではタップ数を奇数にしてください(群遅延を整数サンプルに保つため)
resample.design_failed窓関数法でフィルタ係数を生成できませんでした(遮断周波数やタップ数の設定値を見直してください)
resample.minimum_phase_failed最小位相フィルタへの変換に失敗しました
resample.not_finiteフィルタ係数に不正な値(非数または無限大)が含まれています
resample.phase_mismatch指定された位相タイプとフィルタ係数の対称性が一致しません(直線位相は対称、最小位相は非対称である必要があります)
resample.gain_not_unity通過帯域のゲインが目標値(0 dB)からずれています
resample.image_leak阻止域の減衰量が不足しています。折り返しノイズが可聴帯域に混入するのを防ぐため、減衰量の大きい窓関数を選ぶかタップ数を増やしてください
resample.stopband_too_high阻止域の開始周波数が高すぎます。折り返し歪みが発生する周波数(レート − 通過帯域)以下に設定してください
resample.shape_out_of_range整形の周波数が有効帯域外(0 より大きく通過帯域の上端より下である必要があります)か、遷移幅が 0 以下です

RPC

設計ファイルの内容ではなく、UIアプリとオーディオエンジン間の通信制御に起因するエラーです。多くは、エンジンが起動していない、既に起動している、開けないデバイスを指定した、のいずれかです。

コード出る文言
-32700JSON として解析できません
-32600JSON-RPC 2.0 の要求形式に合っていません
-32601指定されたメソッドが見つかりません
-32602引数の形式が正しくないか、許容範囲外です
-32603バックエンド処理の内部エラー
1001オーディオエンジンが既に動作しています。設定変更の前に再生を停止してください
1002オーディオエンジンが動作していません。先に再生を開始してください
1003オーディオデバイスを開けません
1004指定されたパラメータが見つかりません
1005リアルタイム処理キューが満杯のため、パラメータ更新を適用できませんでした
1006サンプリングレートは 44.1 kHz、48 kHz、または 32 kHz 系列を指定してください
1011リアルタイム処理キューが満杯のため、グラフの切り替えを適用できませんでした
1013安全検証に合格していません。非線形ノードを含むグラフにはシミュレーション検証と保護リミッターが必要です
1016指定されたグラフがライブラリに見つかりません
1017作業フォルダが設定されていません。作成した設定は再起動時に失われます
1018入力サンプリングレートを自動検出できませんでした。明示的にレートを指定して開いてください
1019指定されたリサンプル設計がライブラリに見つかりません
1020リサンプル設計の検証チェックに合格しませんでした
1021リサンプル設計の構成が無効です。対象サンプリングレートの競合を確認してください
1022DSD変調器の設計が検証チェックに合格しませんでした(オーディオデバイス自体は正常です)
1023この操作はリモートネットワーク接続経由では実行できません
1024音響測定スイープが既に再生中です。完了まで待つか、測定を停止してください
1025このベータ版は使用期限を過ぎました。引き続き使うには新しい版を入手してください
1026Mac の時刻が、既に過ぎた時点より前になっています。日付と時刻を正しく直すと使えるようになります

SDM

DSDの変調段です。指定したDSDレート・次数・変換処理が、現在の動作状態では適用できないときに出ます。

コード出る文言
sdm.order_out_of_range変調器の次数が許容範囲外です
sdm.obg_out_of_range帯域外利得(OBG)が許容範囲外です。1.5 を超えると変調器が発振・不安定になり、1.0 以下ではノイズシェーピング効果が得られません
sdm.obg_unreachable指定された次数とサンプリングレートの組み合わせでは、目標の帯域外利得を満たす設計を生成できませんでした
sdm.pole_outside_unit_circleループフィルタが発振条件(単位円外の極)に達しているため、安定した設計を生成できませんでした。次数や帯域外利得を見直してください
sdm.msa_too_low最大安定振幅(MSA)が小さすぎます。変調器を安定させるために必要な減衰量が大きすぎるため、十分な信号レベルを確保できません
sdm.attenuation_too_largeこの設計に必要な減衰量が許容上限(12 dB)を超えています
sdm.rate_family_unsupported入力音源のサンプリングレート系列に対応する DSD レートがありません。DSD 出力を行うには、設定で「44.1 kHz 系へ変換」を有効にしてください
sdm.interpolation_design_failedこのサンプリングレートに対応する内部補間フィルタを設計できませんでした
sdm.family_conversion_failed変調器前段のレートファミリー変換フィルタを、指定されたレート間で設計できませんでした
sdm.exit_rate_fixedDSD(DoP)出力時は出力サンプリングレートを変更できません(DoP 伝送仕様により DSD レートの 1/16 に固定されます)

SIMULATE

刺激信号(テスト信号)を通す検証です。非線形ノードを含むシグナルチェーンを有効化する前に実行されます。異常な数値・ピーク・直流(DC)・超音波の量は、すべてここで測定します。

コード出る文言
simulate.not_finite計算エラー(非数または無限大)が発生しました。フィルタやゲインの設定値が発振していないか確認してください
simulate.excessive_peak基準レベルの入力に対して出力が 0 dBFS を超えました。ゲインが高すぎるため、ゲイン設定を下げてください
simulate.dc_offset出力に直流成分(DCオフセット)が検出されました。スピーカー保護のため、非線形ノードの後ろに「DC Blocker」ノードを追加してください
simulate.ultrasonic_energy25 kHz 超の超高周波成分が許容量を超えています。機器保護のため、ローパスフィルタ等を追加して高域を抑えてください
simulate.not_runnableテスト信号のシミュレーションを実行できませんでした(ブロック長またはサンプリングレートの不整合)