crosstalk_canceller

ノード

スピーカー再生時に反対側の耳へ回り込む音響クロストークを打ち消し、ステレオ音像をスピーカーの外側まで広げます。

パラメータ

欄何を決めるか範囲必須
band_low_hz低音のキックを保護するためのキャンセル信号用ハイパス遮断周波数[Hz](任意、50〜2000 Hz)。50 〜 2,000任意
depth相殺深度(0.0 =バイパス、1.0 =完全相殺)。0 〜 1必須
speaker_angle_degリスナー正面とスピーカーの挟み角[度](正三角形配置なら30度)。10 〜 90任意
{
  "depth": 0.5,
  "speaker_angle_deg": 30,
  "type": "crosstalk_canceller"
}

計算

1. speaker_angle_deg から頭部を回り込む時間 Δt を求める
   (Woodworthの球頭モデル)
2. D = Δt を内部レートのサンプル数にしたもの
3. 回り込む側の信号に2kHzのローパスを掛ける(頭部遮蔽)
4. 逆相で反対チャンネルへ混ぜる:

   L_out = norm · ( L - depth · LPF( R(t - D) ) )
   R_out = norm · ( R - depth · LPF( L(t - D) ) )

band_low_hz は、打ち消しを低域に掛けないための下限
Woodworthは、頭部サイズの球体を音が回り込む伝播時間を表す音響工学の標準的モデルです。2kHzのローパスフィルタは、頭部遮蔽効果によって反対側の耳に高域が減衰して届く音響特性を再現しています。

使うときの注意

  • スピーカー角度は実際のリスニング環境の数値を入力してください。

    打ち消し信号の遅延時間はスピーカー角度から計算されます。実際の環境と一致していないと打ち消しのタイミングが狂い、効果が得られないばかりか、中空のこもったような不自然な音になります。

  • スピーカー再生専用であり、ヘッドホン用ではありません。

    ヘッドホンリスニングには空間的な音響クロストークが存在しません。ヘッドホンで使用すると、単に逆相の遅延音が不自然に付加されるだけになります。

  • 構造上、スイートスポットは限定されます。

    音響クロストークの打ち消しが正確に作用するのは特定のリスニング位置(スイートスポット)のみです。頭をその位置から外しても問題が生じるわけではありませんが、立体音響効果は消失します。

  • 低域には適用しないでください。

    低周波数を左右間で逆相キャンセルすると、定位が移動するのではなく低域エネルギーそのものが打ち消されて減少してしまいます。band_low_hz はそれを防ぐためにあります。