allpass_decorrelator

ノード

振幅特性を変えずに、位相操作のみでステレオ音像を広げます。周波数特性が平坦なため音色は変化しません。

パラメータ

欄何を決めるか範囲必須
depth拡散深度(0.0 =バイパス、1.0 =最大拡散)。0 〜 1必須
low_cutoff_hzオールパス拡散の下限周波数[Hz]。この周波数より下は同相のまま維持される。20 〜 5,000任意
{
  "depth": 0.5,
  "low_cutoff_hz": 500,
  "type": "allpass_decorrelator"
}

計算

チャンネルごとに3段のオールパスをカスケードする

depthがLとRの中心周波数を逆方向にずらす
depth = 0   LとRが完全に一致し、拡散は起きない
low_cutoff_hz が拡散の始まる位置

|H(f)| = 1(どの周波数でも、どちらのチャンネルでも)
オールパスフィルタは振幅特性を変えずに位相特性のみを回転させます。ディレイ音をフィードバック・加算する手法ではないため、コムフィルタ(櫛形干渉)が発生しません。一般的なステレオ拡大処理との決定的な違いがここにあります。

使うときの注意

  • チャンネル間の相関を下げる処理であり、音を追加するわけではありません。

    新たな音響成分は生成されません。変化するのは左右チャンネルの波形の類似度(相関性)であり、人間の耳はそれを空間の広がりや奥行きとして知覚します。

  • モノラル互換性を重視する場合はモノラル試聴で確認してください。

    左右の位相差は、モノラル合算時に相殺されてしまう成分です。各チャンネル単体では振幅特性が変わらなくても、モノラル合算時には同じ音には聴こえなくなります。

  • まずは控えめな深さ(depth)から設定してください。

    周波数特性(音色)が変化しないため、過剰に適用しても気付きにくいノードです。ステレオ音像は広がり続けますが、音源本来のセンター定位が徐々に希薄化していきます。