directional_eq

ノード

人間の耳が高さ感(仰角)として知覚する周波数帯域を、Side成分にのみブーストします。センター定位の音色に影響を与えません。

パラメータ

欄何を決めるか範囲必須
depth_cut_dbSide成分への奥行きディップ利得[dB](-6.0〜0.0 dB、0.0 =バイパス)。-6 〜 0任意
height_freq_hzハイトピーキング中心周波数[Hz](Blauert仰角帯域: 4000〜14000 Hz)。4,000 〜 14,000任意
height_gain_dbSide成分へのハイトピーキング利得[dB](0.0 =バイパス、最大12.0 dB)。0 〜 12任意
height_qハイトピーキングのQ値(0.5〜5.0)。0.5 〜 5任意
{
  "depth_cut_db": -2,
  "height_freq_hz": 8000,
  "height_gain_db": 3,
  "height_q": 2,
  "type": "directional_eq"
}

計算

M = (L + R) / √2                S = (L - R) / √2

1. Sに height_freq_hz / height_gain_db / height_q のピーキング
   (8kHz付近。仰角の知覚に結びつく帯域)
2. 任意で、Sの3.5kHz・q = 1.0 に depth_cut_db のディップ

L = (M + S) / √2                R = (M - S) / √2
音響心理学者ブラウエルト(Blauert)の研究により、特定の周波数帯域が音源の物理位置に関わらず「上から」「前から」到来するように知覚される方向帯域(Directional Bands)の存在が知られています。これをSide成分にのみ適用することで、中央に定位するボーカルやリード楽器の音色を保ったまま、空間の高さを演出できます。

使うときの注意

  • 作用するのはアンビエンス成分であり、センターのボーカルではありません。

    Side成分にのみフィルタを適用するため、変化するのは残響成分やステレオ音像の周囲の空間感です。

  • 3.5kHzのディップは前方への張り出し感と奥行きをトレードオフします。

    3.5kHz付近をディップ(減衰)させると、音像が前方へ張り出す感覚が和らぎます。8kHzの高さ感ブーストと組み合わせることで、単に音がブライトになるのではなく、高く奥行きのある空間として知覚されます。

  • 音量合わせの対象外です。

    ほかの空間系と同様にA/B比較では一律 0dB として扱われるため、ここで帯域をブーストするとそのスロットは大きく聴こえます。比較時は必要に応じて gain ノードで音量を揃えてください。